みずほフィナンシャルグループは2011年5月13日、みずほ銀行で3月に発生したシステム障害の影響で、合計80億円の追加費用が発生することを明らかにした。11年3月期に30億円の損失が生じたほか、今後は追加のシステム費用が50億円必要になるという。システム障害の原因や経営責任などについては「第三者委員会の調査中」(みずほフィナンシャルグループの塚本隆史社長)として明らかにしなかった。

 持株会社であるみずほフィナンシャルグループの塚本社長が、同日の決算説明会でこれらの見通しを明らかにした。既に発生した30億円の損失の内訳は、障害発生時の振り込み手数料を無料としたことによる減収が20億円、迷惑を被った利用者に対して交通費や他行での振り込み手数料などを補てんした費用が6億円、ATMを計画停止した際の「特別支払い対応」で不正に引き出されて回収できていないものが4億円弱である。

 みずほ銀行は、3月19日から21日までATMを計画停止した際に、店舗で1人当たり10万円までの支払いを行うという対応を実施した。その際に、口座に残高が無い利用者に対する支払いが多数行われた。これら不正な引き出しが、現時点で4000件、金額にして4億円弱回収できていない。

 みずほ銀行はシステム障害への対応として今後、システムの維持やメンテナンスの費用を増額する。その追加費用として、50億円を見込んでいる。ただしこの金額に関しては「精査して積み上げたものではなく概算」(みずほフィナンシャルグループの塚本社長)としている。システム障害の原因や今後の対策に関しては、「(2011年6月に予定する)株主総会よりも大分手前の時期に、説明したい」(同)としている。