写真●ダイナコムウェアのAndroid向け軽量スケーラブルフォント「DigiType for Android(System Font)」
写真●ダイナコムウェアのAndroid向け軽量スケーラブルフォント「DigiType for Android(System Font)」
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 東京ビッグサイトで2011年5月11日から13日まで開催中の「第14回組込みシステム開発技術展」(ESEC)の会場では、Android機器向けの組込み用フォントがいくつか展示されている。その中で特にユニークな存在が、ダイナコムウェアが展示している軽量スケーラブルフォント「DigiType for Android(System Font)」である(写真1)。

 同フォントは、字体情報を納めたフォントデータだけでなく、フォントを表示するためのエンジンもセットにして提供するという形態をとる。Android OSが備えるフォントエンジンを入れ替えることにより、一般的なAndroid向けのTrueTypeフォントのサイズ(1.5M~2.2Mバイト程度)と比べて約1/2~1/3(フォントの種類による)程度と大幅な軽量化を実現しているという。

 エンジンのサイズも300Kバイト程度と小さく、「フォントの種類によるが合計でもだいたい1Mバイト以内に収まる」(同社)としている。ダイナコムウェアによれば、大幅な軽量化を実現できる理由は、同フォントシステムがTrueTypeフォントのように字形情報をフルアウトラインで持つのではなく、文字の書き順に従ったストローク単位で字形情報を持っているからだという。

 独自のエンジンを使い、字形情報をストローク単位で持つことにより、太字や縁取り文字、長体、斜体、アンチエイリアス、文字の回転などの処理をOSに依存せずに施せる点なども同フォントシステムを採用するメリットになると同社は強調していた。