日本ケーブルテレビ連盟はこのほど、東日本大震災の震災復興に関して同連盟がこれまで行ってきた取り組みをまとめた。また今後ケーブルテレビ事業者が復興に貢献する際の行動指針となる五つの原則を策定し、発表した。

 連盟では、地震発生当日の2011年3月11日に西條温理事長を本部長とする緊急災害対策本部を立ち上げ、被災状況の把握や資金援助策の検討、復旧支援などを行う体制を整えた。3月16日には中長期的な支援策を検討/実施する「緊急対策タスクフォース」を立ち上げた。

 具体的な支援活動として、これまでに義援金として約1.84億円を集め、関係地方公共団体(被災県、市)に約1.1億円、そのほかの団体に約0.7億円を拠出した。さらに連盟の東北支部と加盟事業者が連携して、被災が甚大であったケーブルテレビ局に対して支援物資の調達と輸送を行った。また被災局の業務復旧に必要な資機材の確保に当たり、連盟本部で必要資機材リストを取りまとめ、加盟全社に協力を呼びかけている。

 また計画停電や節電への対策も検討を進めている。加盟事業者の支援を得て非常用電源の燃料として軽油8500リットルを確保し、首都圏8カ所に分散して備蓄した。4月26日には東京/東北電力管内の会員各社のほか、総務省や資源エネルギー庁、東京電力の担当者も交えて緊急の節電対策会議を開催し、説明・意見交換などを行った。

 今回の震災で特に甚大な被害を受けた気仙沼ケーブルネットワークと三陸ブロードネット(釜石)、宮城ケーブルテレビ(塩釜)について、2011年度分の連盟年会費とCASカード費用の全額減免を決定したほか、2011年度分の著作権使用料と3カ月分番の組購入費を減免するように関係団体に申し入れたことを報告した。

 さらにケーブルテレビ事業者が復興に貢献する際の行動指針として策定した内容は、(1)早急な設備/サービスの復旧と被災状況や生活関連情報などの積極的な配信を促進する「視聴者・利用者保護を最優先」、(2)災害などの非常時に即応できる体制の整備や省電力に務める「地域の情報通信基盤としての安全性・信頼性向上」、(3)避難所などへのサービス提供促進や地方自治体などと共に地域再生への貢献を目指す「地域と一体となった復興および復興支援」、(4)被災事業者の復興に対し業界が一体となって支援を行う「業界力の結集と関係者との緊密な連携」、(5)被災地の取材を継続し支援特集番組を制作する「地域コンテンツの効果的な活用」――である。

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[震災復興に関する5原則の発表資料へ(PDFファイル)]
[日本ケーブルテレビ連盟の対応状況についての発表資料へ(PDFファイル)]