米NVIDIAは米国時間2011年5月9日、ベースバンドチップ開発の英Iceraを買収することで両社が合意したと発表した。同買収によりNVIDIAは、成長著しいスマートフォンおよびタブレット端末市場での地位強化を図る。買収額は3億6700万ドルで、手続きは約30日以内に完了する見通し。

 Iceraは第2世代(2G)、第3世代(3G)および第4世代(4G)ネットワーク対応のベースバンドプロセッサを手がけている。申請中のものも含めると550件以上の特許を所有し、同社の高速無線製品は世界50社以上のキャリアに採用されているという。2002年に英国ブリストルで設立され、現在欧州やアジア、米国の拠点に約300人の従業員を抱える。NVIDIAとは数年前から提携関係にある。

 Iceraを獲得することにより、NVIDIAはスマートフォンで使われる主要チップであるアプリケーションプロセッサとベースバンドプロセッサを提供することになり、各デバイスあたりの収入を約2倍に拡大できると期待している。また、OEMの市場投入時間の短縮を支援しつつ、次世代モバイルコンピューティングのニーズに応えていくとしている。

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