図1●写真1●NTTドコモの山田隆持社長
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図2●写真2●ARPUの推移
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 NTTドコモは2011年4月28日、2010年度(2010年4月~2011年3月)の通期連結決算を発表した。売上高は前年度比1.4%減の4兆2243億円、営業利益は同1.3%増の8447億円の減収増益となった。東日本大震災による影響は、4月27日の会見で表明したとおり2010年度の被害額として60億円、義援金を含めて71億円を損益として計上している(関連記事)。

 同社の山田隆持社長(写真1)は「2010年度は、お客様満足度の向上やスマートフォンの推進、Xiの立ち上げなど思ったことをかなりの率で達成できた」と総括した。目標としていた音声ARPUとデータARPUの逆転も達成(関連記事)。2010年度は音声ARPUが2530円、データARPUが2540円となった(写真2)。

スマートフォン600万台目標は「上ブレもありえる」と山田社長

 山田社長は2011年度の業績予想として、売上高が対前年度比0.1%微増の4兆2300億円、営業利益が同6%増の8500億円と、久々となる増収増益を掲げた。

 そのために2011年度は総合ARPUの下げ止めを図る。2010年度の総合ARPUは前年度から280円減となる5070円だったが、「2011年度の総合ARPUの下げ幅は2010年度の半分程度にしたい」(山田社長)。2011年度のパケットARPUは対前年140円増を目指して歯止めをかけ、2012年度には総合ARPUの上昇に転換するとした。

 この目標達成のために最も力を入れるのは、スマートフォンの推進だ。2010年度のスマートフォンの販売台数は当初100万台としていた目標を大幅に上回る252万台だったが、山田社長は2011年度のスマートフォンの販売台数として600万台という目標を掲げた。山田社長は「昨今のスマートフォンの勢いを見ると目標の上ブレもありうる」と話す。600万台のうち80万台強はタブレット端末を想定している。社内体制やサポート体制もスマートフォン向けに最適化する。

 総販売台数に対するスマートフォン比率は2010年度は13%、2011年度は30%となる。ちなみにKDDIは、2011年度のスマートフォン販売目標として400万台(総販売台数比率33%)という数字を表明しており、総販売台数に対するスマートフォン比率はいずれも約3割となっている(関連記事)。

 2010年12月に開始したLTE方式のサービス「Xi」は、当初目標としていた2010年度に5万契約という目標には届かず、2.6万契約だった。2011年度は端末ラインアップを順次増やし、100万契約突破を目指す。2011年夏にはXi対応のモバイルルーター、2011年秋にはXi対応タブレット、2011年冬にはXi対応スマートフォンを発売予定とする。