富士通は、国連世界食糧計画(WFP)が東日本大震災の被災地に開設している食料備蓄基地の物流支援クラウドを構築した。4月から提供を始めている。

 仙台市にある基地には、全国各地から食料品や水、おむつなどの支援物資が届く。しかし、それをどのように各避難所に分配するかが課題となっていた。避難所により必要な物資は異なり、しかもニーズは刻々と変わるからだ。

 富士通はシステムを運用するクラウド基盤を用意するのに加え、ハンディターミナルも提供。ハンディターミナルは、基地のスタッフが支援物資の情報をデータ化し、各避難所に効率的に分配するために利用する。

 富士通は本社から専門家を仙台に派遣し、クラウドを構築。富士通東北システムズが、現地でNPOやボランティアとの折衝にあたった。富士通東北システムズの八田信社長は「クラウド基盤を提供するだけでは意味が無い。実際に現場の人が使えるようセットアップしないと、本当の支援にはならない」と語る。