エンタープライズDB 代表取締役社長 藤田祐治氏
エンタープライズDB 代表取締役社長 藤田祐治氏
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 米EnterpriseDBの日本法人、エンタープライズDBは2011年4月25日、同社の設立を発表した。代表取締役社長にはレッドハット(日本法人)の社長と会長を務めた藤田祐治氏が就任した。

 EnterpriseDBは、オープンソースのデータベース管理システム(DBMS)PostgreSQLに可用性や処理性能を向上させる機能や、Oracle Databaseとの互換性を向上させる機能などを付加した、Postgres Plusを開発・販売している。Oracle Databaseに比べ、EnterpriseDBでは大幅にライセンスコストを削減できるとしている。サポートを含むサブスクリプション料金はPostgres Plus Advanced Server Basic(搭載可能CPU2ソケット)が年間30万円(税別)、Postgres Plus Advanced Server Premium(CPUソケット制限なし)が年間75万円(税別)など。

 EnterpriseDB本社には、米Red Hat、NTT、サイオステクノロジー、米Translink Capital、安田企業投資、韓国Korea Telecomなどが出資している。またPostgreSQL開発コミュティに対する支援も行っている。PostgreSQL開発コミュティの6人のコアメンバーのうちBruce Momjan氏とDave Page氏の2人がEnterpriseDBに在籍している。

 EnterpriseDBは日本ですでに発売されており、サイオステクノロジー、SRA OSS、コムテックなどが販売パートナーとなっている。エンタープライズDBでは「日本法人の設立により、日本に密着した形で緊密なサポートサービスを提供できるようになる。日本語での情報提供を積極的に進めていく」(藤田祐治氏)としている。オフィスは当初、早稲田大学インキュベーションセンターに置く。

 日本法人は日本市場以外に、韓国市場や中国市場も担当する。初年度の売上目標は約2億円。「ドトールコーヒーがOracleからPostgres Plusに移行するなど実績が出てきている。NTTもPostgreSQLの導入プロジェクトを進めている(関連記事:NTTがPostgreSQLベースのEnterpriseDBと提携,社内利用で30億円コスト削減見込む)。Korea Telecomでも『Off the Oracle』と呼ぶPostgreSQLの導入プロジェクトを進めている。また中国のある通信機メーカーでは通信機に搭載するDBMSをOracleからPostgreSQLに移行しようとしている」(藤田氏)として、日中韓でのPostgreSQLの採用拡大を見込んでいる。