韓国Samsung Electronicsは現地時間2011年4月22日、米Appleに合計10件の特許を侵害されたとして、韓国のソウル、東京、ドイツのマンハイムで提訴したことを明らかにした。これは、Appleが同社を相手取って起こした訴訟に対する逆提訴。Samsungは声明の中で、「当社の知的資産を保護し、モバイル通信事業における開発と成長を継続するために、当社に対してとられた法的行為に積極的に対抗していく」と述べている。

 Appleは4月15日、Samsungのスマートフォン「Galaxy S」およびタブレット端末「Galaxy Tab」などが、Appleのデザインとユーザーインタフェースを真似ているとして米国で提訴した。Appleは、同社のスマートフォン「iPhone」やタブレット端末「iPad」において同社が所有している特許権や商標権をSamsung製品が侵害していると主張している(米New York Times米Wall Street Journal米CNET News.com などの報道)。

 今回Samsungは、不正使用された特許として、韓国で5件、日本で2件、ドイツで3件を訴状の中で挙げている。上記メディアの報道によると、これらはデータを送受信する際の省電力技術、データ伝送時におけるエラー削減の3Gネットワーク技術、携帯端末経由でパソコンを無線接続するテザリング技術などに関するものだという。この訴訟合戦が高い関心を持たれる理由は、両社がスマートフォンやタブレット端末の競合社であると同時に、ビジネスパートナーでもある点だ。Appleは自社製品にSamsungのチップや液晶パネルなどの部品を採用している。

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