シャープは、XMDF 3.0(次世代XMDF)形式の電子書籍を編集するための法人向けツールを2011年7月から無償化する。出版社など商用の電子書籍コンテンツを制作する企業に幅広くXMDF形式の採用を働きかけ、同形式の電子書籍の充実を図る考え。併せて、個人向けにオフィス文書などをXMDF形式に変換できるツールも無償で提供する。

 シャープが提供するのは、(1)InDesignのファイルなどを基にXMDF 3.0/2.0形式の電子書籍を作成する「XMDFビルダー」、(2)PDFとテキストファイルから画像形式(イメージ型)や画像にテキストを埋め込んだ形式(ハイブリッド型)のXMDFファイルを生成する「Hybrid Viewコンバーター」、(3)制作したXMDF形式の電子書籍をパソコンで確認する「確認用PCビューア」。これまでは一部顧客を対象としたベータ版として、「30万円前後」(シャープ)で販売していた。7月に正式版へ移行するのに併せ、無償に切り替える。動作OSはWindows XP/Vista/7。

 また、XMDFの技術仕様や電子書籍の制作に関連する情報を集めたWebサイトを7月に公開する。XMDFビルダーなどのツール類も同サイトからダウンロード可能にする。ただし、ダウンロード時に利用者の所属や連絡先などの登録を必要とする予定。

 個人ユーザー向けには、「XMDF Clipper」というXMDFファイルの生成ツールの提供を始めた。Word/Excel/PowerPointやAdobe Readerなどのソフトで文書ファイルを開き、印刷メニューで出力先をXMDF Clipperとすることで、XMDFファイルを生成できる。XMDF Clipperは、同社の電子書籍リーダー端末の管理ツール「GALAPAGOS Station」の最新版(1.0.3以降)に含む形で無償配布している。