フィンランドNokiaと米Microsoftは現地時間2011年4月21日、2月に発表したモバイル分野の戦略的提携について、予定を前倒しして正式契約を結んだと発表した。今後、通信事業者や開発者などのパートナー企業に対し両社のエコシステムへの参加を呼びかけ、2012年の製品出荷を目指す。

 すでに数百人規模の両社スタッフが共同開発に取り組んでおり、Nokiaの第1弾製品群の開発は著しい進展を遂げているとしている(関連記事:[MWC2011]「Microsoftとの提携でGoogle,Appleと戦う」―NokiaのCEOが強調)。

 この提携でNokiaは、地図、ナビゲーション、位置情報サービスをWindows Phoneに提供するほか、画像分野やハードウエア設計、言語サポート、Windows Phoneプラットフォームの開発にも協力する。一方、Microsoftは検索サービス「Bing」をNokia製品に組み込むほか、自社の強みを、プロダクティビティー、広告、ゲーム、ソーシャルメディアといった分野に注ぐとしている。「ナビゲーション、広告、検索を組み合わせることは、Nokiaのナビゲーション資産の収益化を促進するだけでなく、まったく新しい形の広告収入がもたらされる」(両社)。

 このほかNokiaは、Windows Marketplaceのインフラを利用してNokiaブランドのアプリケーションストアを開設する。開発者が、単一の開発者ポータルを介して、Windows Phone、Symbian、Series 40向けのアプリケーションを配布できるようにする。

 今回の契約では、MicrosoftがWindows Phoneのロイヤルティー収入を継続的にNokiaから受け取る。これは最初の製品が出荷された段階から発生する。一方、NokiaはMicrosoftへの貢献の対価として「数十億ドル」、知的財産提供の一環として「相当な額」を受け取ることになるが、両社は金額などの詳細について明らかにしていない。

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