台湾Acerは現地時間2011年4月19日、モバイルデバイス分野の強化を目的とした組織再編を発表した。IT製品関連事業を2つに分割し、タブレット端末およびスマートフォンを担当する「Touch Business Group(Touch BG)」と、主要パソコン製品を手がける「PC Global Operations(PCGO)」とする。

 モバイルデバイス事業であるTouch BGの責任者には、元IT Products Group(ITGO)責任者で今回コーポレートプレジデントに昇格したJim Wong氏が就任する。パソコン製品事業のPCGOは、元スマートハンドヘルド部門バイスプレジデントのCampbell Kan氏が指揮を執る。

 Acerはパソコン事業を基盤としつつ、「積極的かつ慎重に、タブレット端末やスマートフォンなどのデータ消費機器の開発に取り組む」としている。

 また同社は、中・長期的ビジネスプランニングと経営分析を担う役職として、最高マーケティング責任者(CMO)、最高技術責任者(CTO)、経営分析責任者(OAO)を新たに設置した。

 同社は今年3月、当時の最高経営責任者(CEO)兼社長だったGianfranco Lanci氏が辞任したばかり。将来の開発に関して取締役会と意見が対立したためとされている(関連記事: Acer、CEO兼社長が辞任、将来開発で取締役会と対立)。

 またAcerは、2011年第2四半期のパソコン出荷台数が前期比約10%減少する見通しも明らかにした。組織再編や在庫調整、パソコン市場の季節変動などが要因だという。米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、同社は3月末時点では第2四半期のパソコン出荷見通しを「横ばい」としていた。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]
[発表資料(3)]