インターネットイニシアティブ(IIJ)と日本IBMは2011年4月14日、主に国内の中大規模企業に対してクラウドサービスを総合的に提供することを目的として協業することを発表した。両社が持つクラウドコンピューティングに関係する技術やノウハウを組み合わせることにより、「ネットワークから計算資源、データセンターまで総合的に最適化したクラウドサービスを提供する」という。

 IIJは、同社が持っている「ネットワーク分野における独自技術」、スマートフォンやタブレット型端末などの「スマートデバイス管理のためのノウハウ」などを提供する。日本IBMは、「クラウドコンピューティングに必要となる仮想化や自動化などの機能を備えたハードウエアおよびソフトウエア製品」、「高い信頼性とセキュリティを備えたクラウドサービス」などを提供する。

 協業の具体例として両社では、IIJのスマートデバイス向けソリューション「IIJ GIOスマートモバイルソリューション」と、日本IBMのプライベートクラウド構築サービスを組み合わせることで、「ユーザーが社内LAN環境や外出先から安全にプライベートクラウドを利用できるモバイル向けクラウド環境の構築支援」を挙げている。

 さらに、両社では今後の展開として、IIJのWebサイト向けアクセス負荷分散サービス「IIJ広域負荷分散サービス」と、IBMが国内外に持っているクラウド基盤を連携させることにより、計画停電に備えたWebサイトのバックアップソリューションの提供などを検討していることも明らかにしている。