写真1●Windows Phone Program Management担当の副社長Joe Belfiore氏
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写真2●キーノートではWindows Phoneの日本語表示画面が初公開された
写真2●キーノートではWindows Phoneの日本語表示画面が初公開された
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写真3●Windows PhoneをiPhone 4やNexus Sと並べてハードウエアアクセラレーションにより高速に表示できることをデモした
写真3●Windows PhoneをiPhone 4やNexus Sと並べてハードウエアアクセラレーションにより高速に表示できることをデモした
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写真4●開発部門担当の副社長であるScott Guthrie氏
写真4●開発部門担当の副社長であるScott Guthrie氏
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写真5●新しい開発ツールではGPSやジャイロセンサーの動きをシミュレーションできる
写真5●新しい開発ツールではGPSやジャイロセンサーの動きをシミュレーションできる
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 米Microsoftは2011年4月13日、米国ラスベガスで開催中のWeb開発者向けカンファレンス「MIX11」2日目のキーノートで、Windows Phoneの次期バージョン「Mango」の詳細を披露した。このMangoでは、マルチタスクやIE9によるHTML5対応などに加え、新たに日本語にも対応する。Mangoは2011年末の提供を予定している。

 Mangoにおける拡張点として、Windows Phone Program Management担当の副社長Joe Belfiore氏(写真1)はまず、対象とする言語として16言語と拡大することを発表。日本語もこの中に含まれており、キーノートのスクリーンにはWindows Phoneにおける日本語表示画面を紹介した(写真2)。

 Mangoでは、WebブラウザーとしてInternet Explorer 9(IE9)を搭載する。エンジンには基本的にパソコンのIE9と同じコードを使用しており、HTML5で記述したコンテンツをパソコンと同じように扱えるという。また、Mangoでもパソコンと同様にハードウエアアクセラレーションを活用することで、ブラウジングを高速に処理する。キーノートでは、iPhone 4およびNexus Sと並べ、Windows Phoneが最も早く処理が終了することを見せた(写真3)。このデモの画面では表示速度として、iPhone 4が2でNexus Sが11なのに対し、Windows Phoneでは26という数値を示していた。

 それ以外のユーザーインターフェースに関する改良点として、ホーム画面に最新の情報を動的に表示する「Live Tile」、着信音のカスタマイズなどを挙げた。さらにマルチタスクによるバックグラウンド処理も可能になることで、例えばホーム画面上に次に乗る飛行機の搭乗時間までの情報を随時表示し、間に合わない時間になると赤色で表示する、といった使い方のデモを見せた。

 そのほか、カメラやGPS、ジャイロセンサーをアプリケーションから利用できるようにする。活用例として、本のバーコードを読み取りAmazon.com上で情報を検索して、その本を注文するといったアプリケーションが開発できるようになる。また、TCP/IPのsocketや内蔵データベース「SQL CE」、連絡先やカレンダーの情報なども利用できるようになるという。

 キーノートでは続いて、開発部門担当の副社長であるScott Guthrie氏(写真4)が登壇。Mango向けの開発ツールについて、ベータ版を2011年5月から提供することを明らかにした。

 Guthrie氏は、前述した新機能について、新しい開発ツールでどのように開発できるかを実際のデモを交えながら説明。例えば、GPSやジャイロといったセンサーを使った開発については、実際に端末を傾けたり移動させたりした場合の状態をシミュレーションできるようなエミュレータを用意することなどをアピールし、会場を沸かせた(写真5)。