米Level 3 Communicationsは米国時間2011年4月11日、バミューダ諸島に拠点を置くGlobal Crossingを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。Level 3が引き継ぐGlobal Crossingの負債約11億ドルも含めると、取引総額は約30億ドルにのぼる見込み。買収は株式交換方式で行われ、年内に手続きを完了する予定。

 合意条件のもと、Global Crossingの株主は、Global Crossing普通株1株につきLevel 3普通株16株を受け取る。4月8日のLevel 3株の終値で換算すると、Global Crossing株1株あたりの買収額は約23.04ドルとなる。

 Level 3は同買収により、3大陸に光ファイバーネットワークを所有することになる。世界50カ国以上にネットワークを展開し、関連サービスの提供範囲は70カ国以上に及ぶという。企業や政府、ホールセール市場、およびインターネットユーザー向けにデータ、ビデオ、音声の総合的サービスを提供したいとしている。

 両社の昨年の売上高は、Level 3が36億5100万ドル、Global Crossingが26億900万ドルだが、それぞれ6億2200万ドルと1億7600万ドルの損失を計上している。両社は統合のシナジー効果として、年間約3億ドルの調整後EBITDA(利子、税金、減価償却費控除前利益)拡大と年間約4000万ドルの設備投資削減を期待している。事業統合コストは約2億~2億2500万ドルを計上する見込み。

 両社は米国通信業界の整理統合を生き残ったものの業績低迷が続いていた。米メディアの報道(Wall Street Journal)によると、米国内の光ファイバー回線は稼働率が50%を下回っているほか、インターネットのホールセール価格は過去3年にわたって年間約25%下落している。

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