米Corningは、液晶ディスプレイ用ガラス基板の生産体制について、日本国内の堺工場(大阪府堺市)と静岡工場(静岡県掛川市)の生産水準を維持すると発表した。米国時間2011年4月8日付の発表資料で、同社副会長兼最高財務責任者(CFO)のJames B. Flaws氏が明らかにした。同社は、顧客であるシャープから第8世代と第10世代の液晶パネル製造を一時的に縮小するとの報告を受けた。「しかし当社は自社の在庫を補給し、ほかの地域にも供給することを目的に、独自に生産水準を維持する」とFlaws氏は述べている。

 米Wall Street Journalによると、シャープは東日本大震災の影響でテレビ用大型液晶パネルの在庫を調整する。Corningの声明はシャープの減産計画の発表を受け、その数時間後に出されたと同紙は伝えている。

 Corningとシャープは堺工場の設備を一部共用している。米Barclays Capitalのアナリストによると、Corningの主要ディスプレイ事業におけるシャープ製品の占める割合は26%。Corningは全売上高の12%をシャープとの事業から得ている。たとえ同社が日本国内の生産を継続したとしても、シャープの生産縮小に伴う影響が消えるわけではないとアナリストらは見ている。

 なおFlaws氏は、スマートフォンなどにも採用されている新型カバーガラス「Corning Gorilla Glass」については引き続き需要が旺盛だと話している(関連記事:NTTドコモの新Android機は、薄型日本仕様、14.4Mbps通信、3.0搭載タブレットの3機種)。

[発表資料へ]