米Dellは米国時間2011年4月7日、クラウドコンピューティングを中心とした企業向け事業に2012会計年度(2011年2月~2012年1月)は10億ドルを投資するという計画を発表した。今後2年で高度に効率化したデータセンターを世界数カ所に構築する。

 新たに構築するデータセンターは、同社のソリューションセンター「Dell Global Solution Center」が次世代サービスの基盤として採用する。Dellは今年中に12カ所のGlobal Solution Centerを開設し、1年半以内にさらに10カ所建設する計画を立てている。

 Global Solution Centerを通じて企業は、アプリケーション開発やテストのための演算能力、データバックアップや災害復旧のためのストレージといったインフラに必要な分だけアクセスすることができる。モバイルワーカーを含めて一元的にデータを管理する仮想デスクトップ環境を利用することも可能だ。

 Dellは、特に消費者向けパソコンが伸び悩んでいることから、パソコン事業以外に主軸を移しつつある。昨年、ストレージベンダーの米Compellent Technologiesを買収したほか、今年1月にマネージド情報セキュリティサービスの米SecureWorksを買収することを発表するなど、企業向けサービスの拡充を進めている。

 また、昨年Dellとの買収合戦で米3PARを獲得した米Hewlett-Packardも、今年3月にクラウドサービス拡充を含む今後の戦略を発表している(関連記事:HPが今後の戦略を発表、クラウドサービス拡充やマーケットプレイス構築など)。

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