図1 「Jackie Chan Dead」をキーワードにした「Googleリアルタイム検索」の結果例(米トレンドマイクロの情報から引用。以下同じ)
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図2 ジャッキー・チェン氏の死亡を伝える偽ニュースサイト(写真部分は、トレンドマイクロによって隠されている)
図2 ジャッキー・チェン氏の死亡を伝える偽ニュースサイト(写真部分は、トレンドマイクロによって隠されている)
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図3 国内漫画家の安否リスト。中国のユーザーによって作られたとみられる
図3 国内漫画家の安否リスト。中国のユーザーによって作られたとみられる
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 米トレンドマイクロは2011年4月6日、同社の公式ブログにおいて、インターネットに流れるデマの拡散に加担しないよう注意を呼びかけた。第三者がTwitterなどで発信する情報をうのみにせず、当事者の公式サイトや公式アカウントが発信する情報を確認することが重要だとしている。

 ネットには有用な情報が流れている一方で、多数のデマも流れている。その一例として同社では、俳優ジャッキー・チェン氏の死亡を伝えるデマを挙げている。2011年3月に流れたこのデマは、Twitterやブログなどを通じて拡散され、多くのユーザーに広まった。

 チェン氏の公式Webサイトや、公式アカウントによるTwitterやFacebookを確認すれば、死亡説が全くのでたらめだと分かったはずなのに、ユーザーの多くは確認することなくデマの拡散に加担したという。

 同社は「Googleリアルタイム検索」を使って、「Jackie Chan Dead」という文字列がTwitterやFacebookなどでいつ頃から増えたのかを調べた。その結果、3月29日に急増したことが明らかとなった(図1)。

 原因は、偽のニュースサイトに掲載された偽ニュース。オーストラリア ヤフーのニュースサイト「Yahoo!7」の偽サイトが構築され、チェン氏の死亡を伝える偽ニュースが掲載された(図2)。

 トレンドマイクロのスタッフが詳しく調べたところ、この偽ニュースのきっかけとなるようなツイートを確認したという。東北大震災の直後となる3月12日には、ジャッキー氏の安否を心配するツイートが、あるユーザーによって投稿されていた。さらに調べると、3月8日にもジャッキー氏の死亡を示唆するツイートのやり取りが見つかった。

 これら自体は罪のないうわさ話。こういったうわさ話は、通常は、仲間うちのやり取りだけで消えていく。ところがこのときは、これらのツイートが形を変えつつ広がって、偽ニュースサイトが作られるきっかけとなり、爆発的に広まった可能性があるとしている。

 別の例として同社では、東北大震災の直後に確認された「有名漫画家の安否リスト」を挙げている(図3)。これは、中国のユーザーによって作られたとみられる。このリストには、無事が確認されたとする、中国でも有名な日本の漫画家の名前が列挙されている。

 デマである可能性が高いものの、このリストが作られた理由や方法を確認できないため、リストの真偽は分からないとしている。