Linux普及推進団体の米Linux Foundationは現地時間2011年4月6日、高可用性(HA)コンピューティング向けオープンソースソフトウエアの開発促進を目指す作業部会「High Availability(HA)Working Group」の結成を発表した。

 HA Working Groupでは、開発者、ベンダー、顧客の意見を取り入れながら、複数のプロジェクトや関係者が協力し、オープンソースのHAソフトウエアスタックの定義および機能の最適化を進める。これにより、ミッションクリティカルな業務でLinuxを活用する企業を支援していく。

 Linuxの各種プロジェクト「corosync」「DRBD」「GFS2」「hawk」「Linux-HA」「Linux Virtual Server」「luci」「OCFS2」「Open Clustering Framework」「pacemaker」などの技術を利用し、「Debian」「Fedora」「openSUSE」「Ubuntu」といった主要Linuxディストリビューションを組み合わせる。

 HA Working Groupは、10月にチェコのプラハで開催される予定のLinux関連会議「LinuxCon Europe」に先立って、代表者会議を開く予定。同グループには米Novellや米Oracleなどが参加する。

 またLinux Foundationは、組み込みLinux向けのビルドツール「Yocto」のバージョン1.0を同日公開した。「Yocto Project Release 1.0」ではLinuxカーネル2.6.37をベースに、新たなアプリケーション開発ツールキット(ADT)インストーラとアプリケーション開発ガイドを追加した。

 さらに、Yoctoプロジェクトの方向性を担うグループ「Yocto Project Steering Group」を立ち上げることを明らかにした。米Dell、米Intel、米Mentor Graphics、ドイツOpenEmbedded、米Texas Instruments、米Timesys、米Wind Riverから代表者が参加する。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]