米Texas Instruments(TI)と米National Semiconductorは米国時間2011年4月4日、TIがNational Semiconductorを買収することで両社が最終合意に達したと発表した。TIはNationalの発行済み株式を1株25ドルの現金で買い取る。買収総額は約65億ドルにのぼる。すでに両社の取締役会が全会一致で承認しており、今後当局とNational Semiconductor株主総会の承認を経て、6~9カ月後に買収手続きを完了する見通し。

 買収成立後、TIはNational Semiconductorを同社アナログ半導体事業の一事業部門とするが、米カリフォルニア州サンタクララにあるNational Semiconductorの本社機能は維持する。またNational Semiconductorの米メイン州、英スコットランド、マレーシアの生産拠点も操業を続ける。これらの生産施設は増産に向けた拡張が可能としている。

 2社のアナログ半導体製品数は4万2000点になり、買収後TIのアナログ半導体収益は全売上高のほぼ50%になる見込み。TIの会長兼最高経営責任者(CEO)Rich Templeton氏は、「2社の販売チームの数は、現在のNational Semiconductorの販売チームの10倍になり、我々のアナログ製品をより多くの顧客に届けられるようになる」と述べている。

 両社によると、2010年におけるアナログ半導体の世界市場規模は420億ドル。TIの売上高はこのうちの14%に当たる60億ドル。National Semiconductorは同3%の16億ドル。

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