情報処理推進機構(IPA)オープンソフトウェア・センターは2011年3月31日、「第4回地方自治体における情報システム基盤の現状と方向性に関する調査」の報告書を公開した。サービス調達の広がりや、コスト削減志向とシステム間連携の効果への期待が高いこと、CIOの本格的な関与が重要であることなどが明らかになったとしている。
IPAではアンケートを856団体に配布、うち416団体から回答を得た。加えてヒアリング、ディスカッションなどを実施した。その結果、次のような傾向が判明した。
(1) CIOが情報政策に本格的に関与している自治体ほど、「情報資産の調達・管理」「システム検討における事業部門と情報システム部門との協働」「業務見直し」「オープンな標準の採用」などを積極的に推進している傾向が強い(図1)。
(2) 約半数(51.9%)の団体がサービス調達を採用。現時点では大規模団体ほどサービス調達を推進しているが、「今後の調達方式の意向」では人口3~10万人の小規模団体の採用意向が強く、今後、小規模団体がサービス調達を採用していくことが予想される(図2、図3)。
(3) 近年の財政状況のひっ迫からコスト削減を重視する傾向が依然として高い。コスト削減を実現する手段として、サービス調達や、自団体内および他団体との共通基盤のシステム間連携への期待が高まっている(図4)。
この調査報告書はIPAが運営するオープンソース情報データベースサイト「OSS iPedia」で公開している。