写真1●「ベリサイン MDM」のデモ。エンドユーザーのiPhoneで「App Store」が利用できない設定にした(iPhoneの画面下部を参照)
写真1●「ベリサイン MDM」のデモ。エンドユーザーのiPhoneで「App Store」が利用できない設定にした(iPhoneの画面下部を参照)
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写真2●「ベリサイン GATE」のデモ。ワンタイムパスワードを使ってベリサイン GATEにログイン。ベリサイン GATE経由でGoogle AppsのGmailを閲覧した
写真2●「ベリサイン GATE」のデモ。ワンタイムパスワードを使ってベリサイン GATEにログイン。ベリサイン GATE経由でGoogle AppsのGmailを閲覧した
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 日本ベリサインとアイキューブドシステムズは2011年3月31日、スマートフォンやタブレット端末用の企業向けセキュリティサービスを発表した。提供するサービスは2つ。「ベリサイン MDM powered by CLOMO」と「ベリサイン GATE powered by CLOMO」である。同日から販売を開始しており、ユーザー企業は4月から利用できる。

 1つ目のベリサイン MDMは、スマートフォンやタブレット端末の統合管理機能を提供するサービス。ユーザー企業の管理者は、管理画面を使って、端末機器の電話番号や固有IDの取得といった情報収集、電子証明書のインストールやリモートワイプ(遠隔による強制消去)などの操作が可能である。ベリサインが持つ電子証明書認証局の仕組みを組み合わせることで、不正アクセス対策を強化した。

 2つ目のベリサイン GATEは、「Google Apps」などのクラウドサービスや社内システムに対するシングルサインオンの仕組みと、ベリサインの高度認証を組み合わせたサービス。Google Appsやマイクロソフトの「Office 365」、Salesforce、あるいは社内の既存サービスなど、複数のサービスに対するシングルサインオンの環境を提供する。

 エンドユーザーがスマートフォンやタブレット端末、あるいはパソコンからベリサイン GATEにログインする際の認証基盤に、ベリサインの技術を使用。ワンタイムパスワードや電子証明書を使って強度の高い認証の仕組みを実現できる。

 記者発表の場では、ベリサイン MDMおよびベリサイン GATEのデモをいくつか披露した。ベリサイン MDMについては、エンドユーザーのiPhoneで「App Store」が利用できない設定にするデモ(写真1)や、管理画面からGalaxy Tabの位置情報を取得するデモを見せた。一方のベリサイン GATEについては、ワンタイムパスワードを使ってベリサイン GATEにログインし、Google AppsのGmailを閲覧する操作を見せた(写真2)。

 ベリサイン MDMの動作対象機器は、スマートフォンやタブレット端末。iPhone/iPad(iOS4.0以上)か、Android2.2以上のOSが動作するアンドロイド端末だが、発表日時点ではGalaxyシリーズについてのみ動作を確認済み。ニーズに応じて対応端末を増やすとしている。

 利用料金は1デバイス(機器)あたり年間7200円から。電子認証局をユーザー企業ごとに構築する場合は、認証局単位の年間維持費が別途必要となる。

 ベリサイン GATEの動作対象機器は、パソコンおよびスマートフォン/タブレット端末。パソコン側は、Google Chrome 8などHTML5に対応したWEBブラウザーが必要。スマートフォンやタブレット端末は、iPhone/iPad(iOS4.0以上)か、Android2.2以上のOSが動作するアンドロイド端末。

 利用料金は1ユーザーあたり年間7200円から。別途初期費用が必要。

 なお、両製品はアイキューブドシステムズが販売する際には名称が変わる。ベリサイン MDMは「CLOMO MDM with VeriSign MPKI」、ベリサイン GATEは「CLOMO GATE with VeriSign MPKI」となる。

 両製品はアイキューブドシステムズが開発・提供しているスマートフォン向けサービス「CLOMO」シリーズと、ベリサインの仕組みを組み合わせたもの。アイキューブドシステムズは福岡県のITベンチャー企業で、スマートフォンやタブレット端末向けのソフト開発を手がけている。