写真 2011年度事業計画の重点目標を発表する和崎会長
写真 2011年度事業計画の重点目標を発表する和崎会長
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 衛星放送協会は2011年3月30日の記者会見で、第14期事業計画(2011年度事業計画)の重点目標を発表した。会長の和崎信哉氏(WOWOW代表取締役社長)は会見の冒頭で、衛星放送には四つの課題があると述べた。「BS放送と東経110度CS放送の普及促進」「東経124・128度CS放送のSDTV放送からハイビジョン放送への移行の推進」「ケーブルテレビのデジタル放送対応と普及促進」「IPTVの普及促進」である。この四つの課題に、総務省や日本ケーブルテレビ連盟、デジタル放送推進協会(Dpa)と連携を図りながら、共同で多チャンネル放送業界の発展に向けた取り組みを進める。

 2011年度は重点目標の一つとして、「普及促進に向けたプラットフォーム事業者との協力」を掲げる。2010年12月末時点における多チャンネル放送の加入件数は1101万件で、「非常に厳しい数字。やや頭打ちの状況にある」という。衛星放送のプラットフォーム事業者のスカパーJSATと連携して、「我々が目標とする加入件数の1500万件の確保への筋道を付けていきたい」という。東経124・128度CS放送のさらなるハイビジョン化の推進も、スカパーJSATと共同で取り組む。さらに、「東経110度CS放送では帯域整理が予定されている。帯域整理の結果については、多チャンネル放送のプレゼンスを高めるため、しっかりと生かしていきたい」という。

 「衛星放送協会オリジナル番組アワードの創設」も重点目標にする。オリジナル番組アワードは、多チャンネル放送のオリジナル番組などをより多くの人に知ってもらうことを目的とする。オリジナル番組については、六つの部門(ドラマ番組部門、ドキュメンタリー番組部門、中継番組部門、バラエティー番組部門、アニメ番組部門、ミニ番組部門)ごとに作品を募集する。これとは別に、番組供給事業者のオリジナル編成企画も募集する。衛放協は、2011年3月30日に開催した第19回定時総会で、「すべての加盟社が何らかの形で参加し、このアワードを育てることを確認した」という。

 衛放協の付属機関である「多チャンネル放送研究所」の強化にも取り組む。社会に対しては有料・多チャンネル放送のプレゼンスを高めるための活動、多チャンネル放送業界の関係者に対しては中長期的な有料・多チャンネル放送の展望についての研究を進めてその成果を示す活動を進める。

 このほかに、「社会貢献キャンペーンの実施」や「マルチメディア放送を含む新しいメディアの利用」、「一般社団法人への移行」、「関連団体との協力関係の強化」を2011年度の重点目標として挙げた。