写真●2011年の事業戦略を説明する青野慶久社長
写真●2011年の事業戦略を説明する青野慶久社長
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 「今年は製品開発に重点投資し、主力製品のバージョンアップ、それから今後展開するクラウド分野のサービスに力を入れる」――。2011年3月30日に開催されたサイボウズの事業説明会で、同社の青野慶久社長(写真)はこのような戦略を語った。さらに、「まったく新しいクラウド分野のサービス」(青野社長)も提供するという。4月にも具体的な内容を発表する。

 市場の状況としては、ユーザー企業におけるグループウエア製品への投資が一巡したうえ、グーグルの「Google Apps」など、安価で多機能な情報共有サービスが登場している。また、海外に進出するユーザー企業が増えており、海外向け機能の強化が必須となりつつある。「こうした状況に対応し、乗り越えるために、積極的に製品開発を進めていく」(青野社長)。

 まず同社の「ガルーン」をはじめとした主力グループウエア製品を「大幅にバージョンアップする」(青野社長)。また、在宅ワークなどを支援するリモート環境やスマートフォン分野の製品も強化する。こうした製品強化を踏まえて、海外市場の足がかりを作るという。

 これら一連の製品強化のために、同社は製品開発に向けた投資を増やす。「当社(単体)の売上高利益率は約20%だが、今期はこれを(一時的に)10%程度に下げて、製品開発に投資する」(同)。

 同社が3月16日に発表した2011年1月期連結決算では、連結売上高は53億1200万円、営業利益は7億7000万円、純利益は3億9200万円である。一方、単体売上高は40億1300万円、営業利益は8億 100万円、純利益は5億 300万円。

 2012年1月期の連結業績予想は、売上高は43億8000万円、営業利益は4億5000万円、純利益は3億2000万円。また、単体の業績予想は、売上高は41億2000万円、営業利益は3億8000万円、純利益は3億7000万円。