フィンランドNokiaは現地時間2011年3月29日、米Appleに侵害されている特許の範囲がさらに広がったとして米国際貿易委員会(ITC)に再度提訴したと発表した。携帯電話、携帯型音楽プレーヤー、タブレット端末、コンピューターと、Appleが販売する事実上すべての製品がNokiaの特許を侵害していると主張している。

 Nokiaは2009年12月、Appleに7件の特許が侵害されたとしてITCに訴えていたが、この3月25日、ITCはApple側に特許侵害の事実はなかったとする仮決定を下した。委員会では今後この判断について再調査し最終決定を下すが、これに対しNokiaは「仮決定の内容には同意しない。詳細を確認して次の行動について決定する」とコメントしている(関連記事:NokiaとAppleの特許係争、ITCがNokiaの訴え退ける仮決定)。

 Nokiaが今回問題にしたのは、マルチタスク機能を備えたOSや、データ同期、Bluetoothアクセサリーの利用などに関する7件の特許。知的財産担当副社長のPaul Melin氏は「これらはApple製品の主要機能として使われている。AppleはNokiaの特許を使った製品開発をやめるべきだ」と述べている。 

 Nokiaは、米デラウェア州とウィスコンシン州の連邦地方裁判所、英国の高等法院、ドイツとオランダの地方裁判所にも提訴しており、今回のITCへの提訴で同社がAppleに侵害されたとする特許は合計46件になる。一方AppleもNokiaに13件の特許が侵害されたとしてデラウェア州の連邦地裁に提訴しているほか、ITCにNokia製品の米国への輸入差し止めを求めている。

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