米Sprint Nextelは米国時間2011年3月28日、米AT&Tの米T-Mobile USA買収計画に対する異議を表明し、買収を阻止するよう米政府に呼びかけた。Sprintは同買収計画について、「米国政府および裁判所が米国通信業界を近代化し、オープンな競争市場にするために30年近くかけて取り組んできた施策を覆すものだ」と批判している。

 AT&Tは3月20日、同社がT-Mobile USAを約390億ドルで買収することで、T-Mobile USAの親会社であるドイツDeutsche Telekomと最終合意に達したと発表した。米国無線市場で2位のAT&Tが4位のT-Mobile USAを買収することにより、米国最大の無線事業者が誕生することになる(関連記事:AT&TがT-Mobile USAを約390億ドルで買収へ、米国民95%にLTE提供を目指す)。

 AT&TとT-Mobile USAが統合した場合、無線事業の売上高はSprintを約3倍上回る。すでにAT&Tは米国無線市場首位の米Verizon Wirelessとともに大きなシェアを占めており、買収が実現すれば2大寡占状態がゆるぎないものになるとSprintは指摘している。

 Sprintは声明の中で、米政府はこのような反競争的買収を許すべきではないとし、「我が顧客、我が業界、我が国のために、過去25年の進歩を無にするようなAT&Tの企てと闘うつもりだ」と述べている。

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