NTTドコモは2011年3月29日、同社のスマートフォン向けに、携帯電話の基地局情報を利用した位置情報取得機能を3月31日午前0時から提供開始することを発表した。スマートフォン向けのプロバイダサービス「spモード」の対応機種および契約ユーザーが対象となり、申し込み不要で利用できる。

 スマートフォンでは一般に、GPSを利用して位置情報を取得している。しかし、GPSによる測位機能は、衛星からの電波受信を必要とするため屋内や地下では利用できないことが多い。これを補う目的で、無線LANアクセスポイントのMACアドレスなどを基に測位を行う仕組みも使われているが、都市部を除けばGPSが使えない場所で必ず位置情報が得られるほどには普及していない。

 一方、基地局ベースの測位では、GPSなどと比べて精度は落ちるものの、「とにかく携帯電話の電波が届く範囲にさえいれば利用できる」というメリットがある。これに加えてNTTドコモでは、(1)測位にかかる時間が短いこと、(2)消費電力が低くて済むこと---の二つもメリットとして挙げている。

 基地局から取得できる情報は、「緯度および経度」「エリアコード」「エリア名称」など。同社では、これらの情報を交通情報や店舗情報、SNS(Social Networking Service)、ゲームなどのアプリケーションで活用できるとしている。実際に、同機能を活用するコンテンツとして、ゼンリンデータコムの「直感ナビ」、ジョルダンの「乗換案内」、マピオンの「マピオン」の三つが同日から提供開始予定であること、また、さらに今後6社が提供予定であることも併せて発表している。

 なお、同社はAndroid端末用のアプリ開発者に向けて、同機能を利用するために必要な情報を公開する予定であることも明らかにしている。準備が整い次第、同社の「Android向けアプリケーション開発者様用技術情報」のページに掲載するという。