米Amazon.comは米国時間2011年3月28日、電子書籍リーダー端末「Kindle」で米New York Timesを定期購読している読者は、同紙のパソコン版「NYTimes.com」へのアクセスが無料になると発表した。開始時期についてはまだ決定していないが、今後数週間以内に定期購読者に電子メールで通知するとしている。

 New York Timesのオンライン版は、同日の東部夏時間午後2時から有料購読サービスが導入された(関連記事:New York Times、電子版有料化をカナダで先行、3月28日に世界で開始)。

 同紙は(1)4週間当たり15ドルで、NYTimes.comサイトとスマートフォン用アプリケーションを無制限で利用できるプラン、(2)同20ドルで、NYTimes.comとタブレット用アプリケーションを無制限で利用できるプラン、(3)同35ドルでWebサイト、スマートフォン、タブレット端末のすべてで無制限アクセスできるプランを用意すると発表していたが、電子書籍リーダーへの対応は明らかにしていなかった。

 Amazonの電子書籍ストア「Kindle Store」ではNew York Timesの1カ月の料金が19.99ドルになることから、タブレット用アプリケーションのプランとほぼ同額になる(ただし日本など米国外からの場合は1カ月27.99ドルになる)。
 
 Amazonによると、New York TimesはKindle Storeで最もよく売れている新聞。Kindle Content部門副社長のRuss Grandinetti氏は「顧客はKindleでNew York Timesを読むのが大好きだ。有料サービスの導入に伴って、Kindle版の定期購読者に追加料金なしでサービスを提供できてうれしく思う」と述べている。

 なお有料サービスの導入に伴い、無料でアクセスできるオンライン記事は1カ月当たり20本までになった。New York Timesは先の発表で、検索サイトやSNSサイト、ブログなどのリンクからたどる場合は、上限の20本に達していてもアクセスできるが、一部の検索エンジンでは、1日の無料アクセス可能なリンク数に制限を設けるとしていた。

 米Associated Press(AP通信)はこれについて、米Googleや米Yahoo!などの検索エンジン経由では1日につき最大5本まで閲覧可能で、FacebookやTwitter経由のアクセスは無制限になっていると伝えている。

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