米アマゾン・ウェブ・サービシズは2011年3月28日、仮想マシン貸しサービス「Amazon EC2」で、仮想マシンを運用する物理サーバーを顧客専用にするサービス「Dedicated Instance」を開始した。従来のAmazon EC2では、1台の物理サーバー上で複数の顧客の仮想マシンが稼働していた。

 Dedicated Instanceは、Amazon EC2内に顧客専用の仮想ネットワークを構築する追加サービス「Virtual Private Cloud(VPC)」と組み合わせて利用する。顧客は、VPCを使って運用する仮想的な自社ネットワーク内で、自社だけが利用する物理サーバーを運用できるようになる。1台の物理サーバー上に複数の顧客の仮想マシンが同居するAmazon EC2の通常構成と比べて、セキュリティを強化できる。

 現時点でDedicated Instanceが利用できる「リージョン」(データセンター)は、「米国-バージニア北部」と「欧州-アイルランド」の2カ所。Dedicated Instanceの1時間当たりの仮想マシン利用料金は、通常のものより2割強高い。また、Dedicated Instanceを利用するリージョン1カ所につき、1時間当たり10ドルの追加料金を課金する。この追加料金は、利用するサーバー台数に関わらず固定である。