米IBMは米国時間2011年3月25日、電力効率が高いプラットフォーム技術の開発に取り組む研究施設「Power Systems Development Laboratory」を台湾の台北市に開設したことを発表した。主に同社のサーバー製品「Power Systems」の省電力化に焦点を当てる。

 同研究所の取り組みにより、新興市場をはじめとするグローバルなPower Systems事業の拡大を図る。IBMによると、昨年は同社システム売上の29%を成長市場が占めたという。2015年にはその割合が40%に拡大すると同社は見ている。

 台湾にはすでに、ストレージや他のシステムアーキテクチャーに関する世界的なハブとなっている中国本土の研究所「Greater China STG Development Lab」に属する台湾施設「Taiwan Systems and Technology Laboratory(TSTL)」がある。IBMは新たな研究所を、TSTLの使命推進を強化するものと位置づけている。

 なお同社はPower Systems向け開発の研究所を米テキサス州オースチン、米ミネソタ州ロチェスター、ドイツのベーブリンゲンにも所有している。

 英メディアの報道(The Register)によると、台湾の研究所新設はPower Systems向けプロセッサおよびシステム開発の国外アウトソーシングに向けた第一歩ではないかと見る向きもある。しかしIBMは新研究所の将来的展望についてはコメントしなかった。

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