フィンランドのNokiaが、米Appleに特許を侵害されたとして訴えていた係争で、米国際貿易委員会(ITC)は2011年3月25日、Apple側に特許侵害の事実はないとする仮決定を下した。委員会では今後この判断について再調査し、8月31日までに最終決定を下す。複数の海外メディアが3月26日に伝えた。

 Nokiaは公式声明を出していないが、米Bloombergは25日付の電子版で、Nokiaの広報担当者が「仮決定の内容には同意しない。詳細を確認して次の行動について決定する」とコメントしたと伝えている。

 英Reutersによると、このITCへの訴えでNokiaが問題としていたのは「iPhone 3GS」と「iPod nano」。だが、両者は広い範囲にわたる製品や技術に関して法廷闘争を繰り広げている。

 事の発端は2009年の10月。Nokiaが10件の通信関連特許がiPhoneに侵害されているとして、米デラウェア州の連邦地裁に提訴した。これを受けAppleは同年12月に、13件の同社特許が侵害されたとしてNokiaを訴えた。するとNokiaは同月、7件の特許が侵害されたとしてITCに訴えた。AppleもITCにNokia製品の米国への輸入差し止めを申し立てている。

 Nokiaの訴えは翌年になっても続いた。2010年5月に5件の特許侵害で米ウィスコンシン州の連邦地裁にAppleを提訴したほか、同年12月には13件の特許侵害があったとして英国、ドイツ、オランダで提訴している(関連記事:Nokiaが今度は欧州でAppleを提訴、「UI、アプリストア、アンテナ」を問題に)。