写真1●日本Androidの会横浜支部定例会の模様
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写真2●東日本大震災の被災者支援のための募金箱
写真2●東日本大震災の被災者支援のための募金箱
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写真3●京セラが米国で発売する2画面Androidスマートフォン「Echo」
写真3●京セラが米国で発売する2画面Androidスマートフォン「Echo」
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写真4●シャープは電池持ちに影響するアプリ発見ツールの提供を表明
写真4●シャープは電池持ちに影響するアプリ発見ツールの提供を表明
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写真5●有山圭二氏、あんざいゆき氏、嶋崎聡氏による著書のサイン会
写真5●有山圭二氏、あんざいゆき氏、嶋崎聡氏による著書のサイン会
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 日本Androidの会横浜支部は2011年3月26日、同支部の定例会を横浜市の情報科学専門学校で開催した(写真1)。京セラの2画面Androidスマートフォン「Echo」やシャープの新機種のタッチアンドトライ、技術セミナーなどを行うとともに、東日本大震災の被災者への募金を募った(写真2)。募金は、日本赤十字社を通じ、義援金として寄付する。

 クウジットの塩野崎敦氏は、同社の位置情報サービス「Place Engine」を紹介した。Place Engineは、無線LANアクセスポイントの電波の強さから場所を推定する位置情報サービス。横浜でAndroidスマートフォンを使い、位置情報とAR(拡張現実)を組み合わせ、おすすめ商品をガイドする実証実験も行っている。Android向けのSDK(ソフトウエア開発キット)も提供しているので、興味がある開発者は問い合わせてほしいという。

 山崎誠氏は、富士ゼロックスが提供しているネットプリントを紹介した。インターネット上で登録したファイルを、全国のセブンイレブンに設置されている複合機で印刷できるサービスである。

 京セラの北澤大介氏は、米国で4月に発売する2画面AndroidスマートフォンEchoを紹介した。フリップ式で2つめのタッチパネル画面が引き出され、2つの画面を1つの画面として表示させることもできる(写真3)。日本での発売は未定だが、SDKが公開されており(米Sprintの開発者向けサイト)、北澤氏は「日の丸ソフトで一緒にアメリカを目指そう」と集まった開発者に呼びかけた。

 シャープの錦織理人氏は、同社の春モデルとなる「005SH」と「IS05」を紹介。005SHはソフトバンクモバイルから発売されており、ハードウエアキーボードを引き出して使うことができる。IS05はKDDIから発売されており、コンパクトなことが特徴である。また電池持ちに影響するアプリを発見するツールを公開予定であることを明らかにした(写真4)。また赤外線リモコンAPIを公開したので、使ってみてほしいと語った。

 テクニカルトラックとして、あんざいゆき氏が「Android Layout ~3分クッキング~」と題して、空白の取り方、などアプリの画面デザインのポイントを解説した。

 有山圭二氏は「AOSPにコントリビュートしてみた 奮闘篇」と題して講演した。AOSPとは、Android Open Source Project。有山氏は、ユニットテストのチュートリアル作成中にAndroidのバグに遭遇。修正パッチを作成して、Android Open Source Projectに提供した。「コントリビュートは難しくない。ドキュメントの間違いを修正するのも貢献。大事なことは自分がやる、英語を恐れない、貢献であることを忘れない、の3点」と語る。

 嶋崎聡氏は「全然怪しくないアプリ開発術」と題し、プレゼンアプリを開発してみた経緯を発表。「いきなりすごいものを作ろうとしない」、「自分なりの締め切りを設定する」、「ダメなら捨てて作り直す」、今回の発表も自作のプレゼンアプリで行った。

 最後にあんざい氏、有山氏、嶋崎氏がそれぞれの著書(共著書)である「Android Layout Cookbook」、「Android Hacks」、「Androidアプリ 怪しい開発術」のサイン会を実施した(写真5)。

 日本Androidの会では、横浜支部にとどまらず、イベントなどで継続的な募金活動を進めていくとしている。また東北支部および関西支部では、去る2011年3月18日と19日、被災者支援に役立つアプリを開発するアイディアソンと、そのアイデアを基に実際にアプリを開発するチャリティーハッカソンを開催した。ワーキンググループの一つである福祉部でも、災害時に対応するアプリ開発の議論を進めている。