米Appleは現地時間2011年3月23日、Software Engineering部門の上級副社長Bertrand Serlet氏が退社すると発表した。同氏はAppleのSteve Jobs最高経営責任者(CEO)と22年間職場を共にしてきた人物。過去に米Xeroxのパロアルト研究所(PARC)に籍を置き、Jobs氏が1985年に設立した米NeXTに1989年に入社。AppleによるNeXTの買収に伴って1997年にAppleに入社し、それ以来パソコン向けOS「Mac OS X」の設計、開発に携わってきた。

 Appleは事情の詳細を明らかにしていないが、Serlet氏は発表資料の中で「22年間Steveと職場を共にし、NeXTとAppleで素晴らしい時を過ごした。しかし今は製品開発よりも科学に多くの時間を費やしたい」と述べている。

 Serlet氏の後任に就くのは同じくMac OS Xの開発に携わり、過去2年間、同OSソフトウエアエンジニアリング部門を率いてきたCraig Federighi氏。同氏もNeXTに籍を置いていた。Appleに入社した後、約10年間、米Aribaでインターネットサービス部門の副社長や最高技術責任者(CTO)などを務め、2009年にAppleに戻っている。

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