NTT東日本は2011年3月23日、東日本大震災による被災地エリア(宮城、岩手、福島エリア)の通信サービスの被害状況について、同日午後1時時点における最新情報を発表した。震災発生直後から連日更新する形で発表を続けているもので、今回の発表はその第25報となる。22日に発表済みの第24報の内容と合わせて紹介する。

 まず、23日午後1時時点において、上記被災地エリア内で機能停止状態に陥っている通信ビル数および利用不能となっている通信サービスの回線数については、機能停止している通信ビル数が「93」、利用不能になっている加入電話が「約11万5900回線」、同ISDNが「約1万200回線」、同フレッツ光が「約2万8800回線」(うち、ひかり電話が約2万3700回線)となっている。

 NTT東日本によると、震災発生後、被災エリアの約1000棟に上る通信ビルで商用電源の途絶や装置故障が発生。非常用バッテリーや発電機、移動電源車などで電力供給を図るといった対応をとったものの、13日には通信ビルの機能停止により加入電話とISDN、フレッツ光の3サービス合計で約145万回線が通信不能になるなどのトラブル(り障)状態に陥ったという。

 その後、NTT西日本をはじめとするNTTグループ各社や通信建設会社の応援も得ながら総勢約5000人体制で復旧を図った結果、約10日間で機能停止状態の通信ビル数は93に、り障回線数は合計で約15万4900回線にまで減少した。どちらも既に約9割が復旧したことになる。

 ただし、ここから先の「完全復旧」までの道のりは険しいようだ。いまだ復旧していない通信ビルおよび通信サービスについて、同社では、(1)損壊や浸水、伝送路の切断など、地震および津波によって甚大な被害を受けている通信ビルが多いこと(関連記事:NTT東日本が岩手県内通信ビルの被災状況写真を公開、外壁が消失した局舎も)、(2)原発事故に伴う立ち入り禁止地域に所在する通信ビルがあること---という二つの理由により、「その過半が復旧に相当の時間を要する」と想定している。

 なお、機能停止中の通信ビルのビル名および所在地や、機能停止によってサービスの提供が中断している電話局番などについての詳細情報は、同社が一覧表のPDFファイルを配布している。現地の情報を必要とするユーザーは、こちらもチェックしてみるとよいだろう。