みずほ銀行の西堀利頭取は2011年3月18日夜に記者会見を行い、「22日中までにシステムの正常化を目指す」と述べた。同行が18日付までに完了できなかった振り込みの総数は116万件。そのうち15日付の25万件に関して、18日までに送金処理にこぎ着けた。残りの91万件の送金処理は22日に行う。この送金処理が終わらなかった場合、正常化が23日にずれ込む恐れもあるとしている。

 同行は18日、支店以外にあるATMを全面停止したほか、ATMの振り込み処理を15時以降停止するなどして、オンラインシステムの処理を制限。システムの処理能力を未完了となっているバッチ処理に振り分けた。この結果、未完了になっていた15日付38万件の振り込みの内、25万件を送金処理にこぎ着けた。現時点で、15日付の未完了振り込みは13万件である。

 みずほ銀行が、期日までに振り込みを完了できなかった総数は116万件。内訳は、15日付が38万件、16日付が6万件、17日付が6万件、18日付が66万件である。なお18日付の未完了の振り込みの内、62万件が給与振り込みである。19日からの三連休で、残りの91万件のバッチ処理を終了させ、22日中に送金処理を行う。未完了の振り込み処理が全て完了すれば、システム正常化の目処が立つという。

 未完了の振り込みを優先的に処理する間は、ATMや窓口での業務、振り込み以外のバッチ処理を制限する。具体的には、22日朝まで全ATMを停止するほか、定期預金の書き換えといった緊急性のないバッチ処理などを見合わせる。

既に数千件の二重送金、25日の給与振り込みにも不安

 今後も懸念は残る。一つは「件数は未確定だが、数千件に上る」(西堀頭取)という二重送金の発生。もう一つは、25日に予定されている大量の給与振り込みが遅延する恐れ――である。

 みずほ銀行は、トラブルが発生した15日当初、振り込みできなかった38万件中の数千件について、窓口での手作業による振り込みを実施した。そして、18日に38万件のバッチ処理を実行した際に、手作業で処理した数千件に関しても、再度送金処理を行った。これが二重送金となった。手作業で処理した振り込みを、38万件のバッチ処理から取り除くことが困難だったためだ。

 みずほ銀行の口座から従業員の口座に給与を振り込む企業は、振り込み期日の2日~1週間前までに、振り込みに必要なデータをみずほ銀行に渡しておく必要がある。しかしみずほ銀行は15日以降、未完了のバッチ処理を優先するため、給与振り込みに必要なデータの受付を断っている。システム正常化が23日以降にずれ込んだ場合、振り込みデータの受け付け作業や、その後の振り込み処理が遅延し、25日付の給与振り込みが、25日までに完了しない恐れが生じる。

 みずほ銀行は連休最終日である21日夕方までに、システムの回復状況について再度記者会見を行って、説明するとしている。

■変更履歴
2段落目の冒頭に「同行は17日」とありましたが、「同行は18日」の誤りです。本文は修正済みです。[2011/03/21 23:45]