写真●記者会見で謝罪するみずほ銀行幹部、中央が西堀利頭取
写真●記者会見で謝罪するみずほ銀行幹部、中央が西堀利頭取
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 みずほ銀行は2011年3月17日、15日から続いているシステムトラブルに関して記者会見を行い、西堀 利頭取は「正常化には時間がかかる」との見通しを示した。トラブルの原因は今もなお不明。18日以降はATMや窓口業務の開始時間を遅らせるほか、引き落としや給与振り込みといった社会生活にとって重要な業務以外の取引を制限し、復旧に全力で取り組む。

 今回のシステムトラブルは、3月14日に東京都内特定支店への振り込みが、想定量を上回ったことをきっかけとして発生した。この結果、15日午前5時までに終了すべき夜間バッチ処理が終了せず、15日付の国内銀行向けの振り込みが約38万件(金額で4900億円)未処理となった。また、夜間バッチ処理が終了しなかったことから、オンラインシステムの起動も遅れ、ATMでの振り込み処理などが10時30分までできなくなった。

 翌16日も、午前5時までに終了すべき夜間バッチ処理が終了せず、16日付の振り込みが約6万件(金額で800億円)未処理となった。オンラインシステムの起動も遅れ、午前11時20分までATMや窓口業務が停止した。また午後3時以降、ATMやインターネットサービスを使った振り込みもできなくなった。

 17日午前5時までに終了すべき夜間バッチ処理も、時間内に終了しなかった。その結果、17日午前も11時30分までオンラインシステムを起動できず、ATMや窓口業務が停止した。

 15日付、16日付の44万件の未処理取引は、現在も完了していない。みずほ銀行の西堀頭取は、「これまでは、夜間バッチ処理と、オンライン処理の両方を正常化させようとしていた。今後は窓口業務を一部制限して、未処理取引の処理を優先させる」との方針を示した。この結果18日は、ATMや窓口業務の開始が遅れることが予想されるほか、引き落としや振り込み以外の業務ができなくなる恐れがある。

 西堀頭取は、「19日から21日までの三連休中に解決することを目指す」としているが、22日にシステムが全面復旧するかは、確約できないとしている。またシステムトラブルの引き金となった14日における振り込みの急増に関して、「東日本巨大地震への義援金の振り込みではないのか」という記者会見での質問に対しては、「そうなのかどうかも、現状では分からない」(西堀頭取)と述べている。