NTTPCコミュニケーションズは2011年3月16日、東日本巨大地震で被害を受けた企業および震災関連の情報発信をしたい企業や組織向けに、データ通信カードを使ったモバイル接続サービス「InfoSphereモバイル接続サービス」とホスティングサービス「WebARENAホスティングサービス」を一定期間無償提供するという二つの支援策の実施を発表した。

 まず、被災した企業を対象として、データ通信カードを使ったモバイル接続サービス「InfoSphereモバイル接続サービス」を無償で提供する。データ通信カードの配送が可能なエリアにある被災企業が対象となるが、「被災地域への配送が非常に困難な状況にあるため、受け渡し方法は個別に相談する」(同社)としている。

 提供期間については1カ月間程度を予定しており、状況によって延長も検討するという。なお、モバイルカードは貸与となり、1社あたり2台まで提供可能としている。申し込み受け付け期間は3月16日から4月15日までとなっている。

 二つめの支援策であるWebARENAホスティングサービスの無償提供では、(1)VPS・仮想専用サーバー「WebARENA Suite PROv3」の基本スペック、(2)個人向けレンタルサーバー「名づけてねっとのレンタルサーバー」のスタンダードプラン、(3)情報共有ツール「WebARENA コラボレーションツール」――の3サービスを無償で提供する。

 無償提供の対象となるのは、被災者に向けて必要な情報を発信する政府および関連団体、地方自治体、公共交通機関、電気・ガス・水道などのライフラインに関係する企業、無償で復興支援をする企業などとしている。

 申し込み受け付け期間は3月16日から5月31日までで、提供期間は1年間となっている。震災後、復興支援目的で多くのベンダーがクラウドやホスティングサービスの無償提供を始めているが、1年間もの長期にわたって無償で提供することを表明しているケースは珍しい。震災の復興にどれほどの期間がかかりそうか分かっていない現状において、心強い支援策となりそうだ。