米Google傘下のYouTubeは米国時間2011年3月15日、デジタル映像の画質向上技術を持つアイルランドのGreen Parrot Picturesを買収したと発表した。

 同社はダブリン大学トリニティカレッジの准教授、Anil Kokaram氏が2004年に創設した企業で、手ぶれ補正や、ノイズ、フリッカ、ブロッチの除去といった映像修復技術を手がけている。Googleの映像技術部門ディレクターのJeremy Doig氏によれば、同社の技術はこれまで「ロード・オブ・ザ・リング」「X-MEN」「スパイダーマン」といった映画に採用されている。画像を鮮明にし、安定化させると同時にデータ転送レートを抑え、再生速度の向上につながるとしている。

 同氏は、「YouTubeにアップロードされる動画にはプロが撮影した高品質のものも多いが、人気のある動画には携帯電話や低品質のビデオカメラで撮られたものも多い」としたうえで、「Green Parrot PicturesのノウハウはYouTubeとGoogleのアイディアや技術革新の源泉になる」と説明している。

 ただしGreen Parrot Picturesの技術をどのようにサービスに生かしていくのかについては明らかにしていない。米メディア(Wall Street Journal)によると、事情に詳しい関係者は「推測するには時期尚早。Green Parrot Picturesには映画制作会社との契約が残っており、まずそれらをクリアする必要がある」と話している。

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