フィンランドのNokiaは米国時間2011年3月11日、米証券取引委員会(SEC)に年次報告書(Form 20-F)を提出した。その中で同社は、今後の事業のリスク要因として、米Microsoftとの提携が実現しない可能性を示唆している。

 Nokiaは2011年2月に、Microsoftとの提携を発表し、自社スマートフォンの主要プラットフォームに「Windows Phone 7」を採用する方針を明らかにした(関連記事:[MWC2011]「Microsoftとの提携でGoogle,Appleと戦う」―NokiaのCEOが強調)。

 しかしNokiaは今回、Microsoftとの提携を巡って直面する不安要素をForm 20-Fに多数記載した。Windows Phoneがごく最近リリースされたものであり、実績が立証されていない上、AndroidやAppleのプラットフォームと比較して消費者認知度が低いハイエンド分野のみに焦点を当てている点を指摘。Microsoftとの提携計画は、スマートフォン市場において幅広い競争力を発揮できない可能性があるとしている。

 また、NokiaはWindows Phoneへの移行には約2年かかると見ており、スマートフォン市場で長期的な競争力を実現するには時間がかかりすぎると懸念している。さらに、Microsoftとの提携により、現在強固な地位を確立している市場においてブランド力が弱まる危険性なども挙げた。

NokiaとMicrosoftの提携は、拘束力を持たない合意の段階であり、現在最終合意に向けて交渉が続いている。

[SECへの提出書類]