ネットワークトラフィックを監視する米Renesysは米国時間2011年3月11日、巨大地震が日本のインターネットインフラに及ぼした影響は極めて少なかったという調査結果を発表した。

 それによると、日本に約6000あるグローバルルーティングテーブルのネットワークプリフィックスうち、一時的にサービスが停止したのは100程度で、その数は地震の数時間後に減っていった。Webサイトは通常通りアクセス可能で、インターネットが人々のコミュニケーションを支えている。大震災があったにもかかわらず、これは注目に値するとしている。

 Renesysは、Pacnetの海底ケーブルの2カ所が影響を受けたもようだと報告している。またPacific Crossingが日米間海底ケーブル(PC-1)のサービスを停止していると発表している。

 2006年の台湾地震の際は、多くの主要ケーブルが被害を受けたが、今回の場合は最悪の事態を免れることができた。例えばJPIXのインバウンド/アウトバウンドのトラフィックは、地震後一時25Gビット/秒程度低下したが、同日の終わりには正常レベルに戻っている。JPNAPのトラフィックも10%低下した程度ですんだ。

 台湾の地震のような過去の事例を考えると、地震発生後は数日から数週間にかけて中継器や陸揚局の機器への影響が新たな問題を引き起こす。しかし日本の場合、今のところ想像されたような事態にはなっていない。日本のエンジニアは世界で最も柔軟性のあるネットワークインフラを構築しているとRenesysは報告している。

[発表資料]