ネットワークカメラの販売を手掛けるアクシスコミュニケーションズは2011年3月10日、天井に取り付けて360度全方位を撮影できるPTZドームカメラの新製品「AXIS M50シリーズ」を発表した(写真1)。7万円台からと同社のPTZドームカメラ製品の中で最も安い価格帯ながら、同社の上位機種と同じ画像・データ伝送機構を搭載した。5月前半に出荷を開始し、1年間で1万台の販売を目指す。
「コンシューマ用途はもちろん、業務用途でもネットワークカメラ市場は、アナログからデジタル方式の製品へと移行しつつある。しかし日本では、業務用途の90%が依然としてアナログだ。デジタル方式のネットワークカメラの成長可能性は、非常に高い」。同社の共同創業者であるマーティン・グレン取締役は、日本市場をこう語る(写真2)。
元々は監視カメラとして同社が開発した製品だが、「日本では小売店のマネージャが店舗の様子を遠隔地から把握して、従業員の作業プロセスを管理したり来店客の反応をチェックしたりといった用途に使ったりする例がみられた。セキュリティ監視だけでなく、サービス業の顧客満足度向上などにも、ネットワークカメラをアピールしたい」(ケント・フランソン プロダクトマネージャー)。
M50は、撮影範囲が300平方メートルの「M5013」と、同400平方メートル「M5014」の2モデルからなる。上位機種であるM5014は、720pのハイビジョン(HD)画質の映像を撮影できる。両モデルとも、一本のイーサネットケーブルで映像や音声の送信と電源供給をまかなえる。価格はM5013が7万円、M5014が8万4000円。