シマンテックの河村浩明社長
シマンテックの河村浩明社長
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 「今後の目玉製品は、ゼロデイ攻撃も防げる『Symantec Endpoint Protection(SEP)』の新版だ。この製品などを武器に、販売パートナーが取り扱うシマンテック製品のシェア向上を狙う」。シマンテック社長の河村浩明氏は2011年3月8日、同社が開催した記者説明会において、事業戦略などを説明した。

 同社は2010年7月にも企業戦略説明会を開催している。そのとき挙げた2010年度の重点施策は、(1)パートナーにおけるシマンテックシェアの向上(2)OEMパートナーへのエンベデッドソリューション(3)Big Enterpriseにおけるビジネス強化(4)クラウドサービスプロバイダー(CSP)――の4点。河村氏は「今後もこれらを継続的に実行する」としている。

 このうち(1)について、河村氏は「通常、チャンネルパートナー(販売パートナー)は複数メーカーの商品を扱っている。そのシェアを一気に奪うというのは、現実的には難しい。今後1年かけて、徐々に奪っていきたい」と説明。その助けとなるのが、2011年2月に発表したSEPの最新版「SEP 12」だとアピールした。SEPは企業向けの統合セキュリティソフト。ウイルス対策やパーソナルファイアウオール、侵入検知などの機能を提供する。

 新版のSEP 12では、同社製品のユーザーから収集した情報を基に怪しいプログラムを検出する「レピュテーション」機能や、プログラムの振る舞いなどからウイルスかどうかを判定する「ビヘイビア」機能を強化。従来のブラックリスト方式(パターンマッチング)だけでは検出できないゼロデイ攻撃も検出できるとしている。

 現在、SEP 12は招待者向けのベータ版として提供されている。誰でも利用できるパブリックベータは2011年4月に公開予定。正式版の発売は2011年夏以降を予定している。