米Adobe Systemsは米国時間2011年3月7日、電子出版ツール「Digital Publishing Suite」を大規模出版社向けに提供する「Enterprise」エディションをリリースした。料金は個別見積もりとなる。

 Digital Publishing Suiteは、デジタルコンテンツを作成し、オンライン配信するための製品とサービスをベースにしている。米Googleの「Android」を搭載したモバイル端末をはじめ、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」、米Appleの「iPad」などのタブレット端末向けに電子書籍やデジタル雑誌、新聞を発行および販売するための手段を提供する。

 Enterpriseエディションにより、大規模出版社は既存の出版プロセスやインフラを維持しつつ、デジタル出版のカスタムな手段を導入できる。コストを抑えながら視覚的インパクトの強いデジタルコンテンツを作成し、タブレット端末などを対象に配信することが可能になる。また分析機能を利用して、記事や広告に対する読者の反応を確認できる。

 Eコマース機能では、自社販売サイトのほか、Appleの「App Store」やGoogleの「Android Market」などのモバイルアプリケーション配信/販売サイトを通じたデジタルコンテンツ配信に対応する。号単位や定期購読といった販売モデルを設定可能。

 Adobeは、Digital Publishing Suiteの中小出版社向け「Professional」エディションを2011会計年度第2四半期(2011年3~5月)にリリースする計画である。

[発表資料へ]