写真●DSL事業者協議会の設立について説明する関西ブロードバンドの三須久社長(右)
写真●DSL事業者協議会の設立について説明する関西ブロードバンドの三須久社長(右)
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 関西ブロードバンド、新潟通信サービス、ソフトバンクBBなどADSLサービスを手掛ける9社は3月7日、DSL事業者間の情報共有や、通信政策に関する提言を目的とした「DSL事業者協議会」を3月下旬に発足させると発表した。

 発起人となる9社は上記事業者のほか、エム.ビー.エス、沖縄テレメッセージ、彩ネット、サイプレス、長野県協同電算、マイメディア。ソフトバンクBB以外の事業者は、限定した地域でDSL回線サービスやインタネット接続サービスを提供している。今後、同様にNTT東西からメタル回線を借りてDSLサービスを展開している地域事業者などに参加を呼びかけ、3月下旬に約30社前後で設立総会を開催する予定である。

 協議会の目的は、DSL事業者同士の情報交換を通じて結束を強め、ブロードバンドサービスの光化への対応策、ICT活用を通じた地域の活性化などで協力すること。

 発起人会の代表である関西ブロードバンドの三須久・関西ブロードバンド社長は「地域に立脚するDSL事業者は、需要の少ない地域にも果敢に進出しブロードバンドの普及に尽くしてきた。その存在意義を確固たるものにし、引き続き地域の利用者のためのサービスを提供したい。まずは低廉な光サービスを実現するための施策などを提言していきたい」と発足の主旨を述べた(写真)。現段階で最優先する具体的な活動としては、NTT東西の光ファイバー接続料の審議において、最大8分岐できるシェアドアクセス型回線に1分岐単位の料金設定をすることを求めていくことを挙げた。

 今回の発起人会に参加した事業者の中では、ソフトバンクBBが約350万回線のADSLユーザーを抱えており最も規模が大きい。ソフトバンクBB以外の事業者8社の合計は「約2、3万回線前後」(関西ブロードバンドの三須社長)という。こうした規模の違いに対して、ソフトバンクBBの孫正義社長は「規模が違っても、ブロードバンドの普及に尽力してきたという熱い思いは同じ。光化が進む現在、地域に立脚した細やかなサービスを提供する事業者が参入できないというのは制度として問題がある。力を合わせて制度見直しの声を上げていきたい」とした。なお、ソフトバンクBBに次いで約200万回線前後のADSLユーザーを持つイー・アクセスは、今回の発起人会に参加しなかった。イー・アクセスは協議会について「動向を興味深く見守っている。今後の参加予定については未定」(広報部)としている。