企業の単体財務諸表の取り扱いを検討する「単体財務諸表に関する検討会議」は、日本基準に加えてIFRS(国際会計基準)を単体財務諸表に選択適用できる方針で議論を進めていることが分かった。2011年3月中旬に検討会議を開催し、結論がまとまれば3月末に開催予定の金融庁企業会計審議会総会で内容を公表して議論する見込みだ。

 単体財務諸表に関する検討会議は、企業会計基準の調査研究や開発を担うFASF(財務会計基準機構)内に10年9月に設置された。単体財務諸表へのIFRSの適用を検討するのが目的だ。現在の日本では、連結財務諸表に先行してIFRSを適用する「連結先行」のアプローチを採用している一方で、単体財務諸表の取り扱いが明確に決まっていなかった。

 金融庁が09年6月に公表した「我が国における国際会計基準の取扱いについて(中間報告)」では単体(個別)財務諸表に関して、「連結対象会社を有さず連結財務諸表を作成していない」上場企業については、「我が国の会計基準による個別財務諸表に加えて、追加的な情報として監査を受けたIFRSによる個別財務諸表を作成することを認めることが考えられる」との記述がある。