写真●iDeepソリューションズ 代表取締役社長兼CEO中根滋氏。同社の「TeleOffice」を使いプレゼンした(写真:中根祥文)
写真●iDeepソリューションズ 代表取締役社長兼CEO中根滋氏。同社の「TeleOffice」を使いプレゼンした(写真:中根祥文)
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「クラウドが可能にした新しいコラボレーションで、ワークスタイルが変わる」---iDeepソリューションズ 代表取締役社長兼CEO中根滋氏は2011年3月3日、イベント「Cloud Days Tokyo 2011 Conference & EXPO」の講演で、こう語った。

 中根氏はSAPジャパン、i2テクノロジーズジャパン、パワードコムといったIT企業/通信事業者のトップに就いてきた経歴を持つ。新しい舞台として選んだのが、クラウド上のコラボレーションサービス「TeleOffice」を提供するシャープの100%子会社、iDeepソリューションズだった。単なる子会社ではなく、海外への展開も計画している(関連記事)。そのため「社員約100人のうち半数が外国人」(中根氏)だ。

 中根氏は「経営戦略の変化とテクノロジーの進歩が重なった時、新しいソリューションが生まれる」という。日本企業の多くは国内市場の成熟により、海外市場に成長の場を求めている。それが経営戦略の変化だ。しかし海外拠点はガバナンスが未整備などの問題を抱える。一方で成熟市場には経営管理のノウハウがある。「必要なのはどう現地とコミュニケーションを取るか、コラボレーションを行うかだ」(中根氏)。

 ここでいうテクノロジーの変化とは、ネットワークの進歩である。「光ファイバーの速度はムーアの法則以上に伸びている。4Gとは、新幹線の中でオフィスのLANのスピードが得られるということだ。世界のどこでも、いつでも高速なネットワークにアクセスできる環境が実現しつつある」(中根氏)。

 一方で中根氏は、現状の電子会議システムはフェース・ツー・フェースのミーティングに劣るとする。「日本人はフェース・ツー・フェースを大切にする。なぜならそこには『紙』があるからだ。紙は安価で、読むことと書くことが同時に行える。今までは紙のほうがITより“サービスレベル”が高かった」(中根氏)。

 紙のサービスレベルをどう超えるか。答えは、紙にできないことを実現することだと中根氏は言う。「グローバルでリアルタイムな資料の共有や、資料のページ送り、拡大縮小、タッチパネルで手書きしたコメントを全クライアント上で同期させること。またはデータが残らないシンクライアント、動画やビデオ共有。これらはクラウドがなければできない」(中根氏)。

 「クラウドが可能にした新しいコラボレーションで、ワークスタイルが変わる」と中根氏は言う。「時間配分が『形式に基づく配分』から、『価値に基づく配分』になる。『年功序列』から『意見に上下なし』になる。『大人数で大量の資料』から『少人数で絞り込んだ資料』に、『親会社社員主体』から『現地社員主体』になる。仕事が効率化されることで『Work、Work、Work』から『Work-Life Balance』になる」(中根氏)とする。

 そして中根氏は「今朝電話が来て、TeleOfficeがAppStoreで配信開始された。iPad、iPhoneが正式にサポート対象プラットフォームに加わった」と宣言した。Android、Symbian、BlackBerryのサポートも予定しているという。