「“コア業務”のクラウド化と“ノンコア業務”のクラウド化では成功のポイントが違う。コア業務をクラウド化する際には、高いサービス品質を確保できるプラットフォームを選択する必要がある」。日本オラクルの三澤智光常務執行役員 テクノロジー製品事業統括本部長兼クラウド&EA統括本部長(写真)は、日経BP社主催のクラウドコンピューティング専門展「日経BP Cloud Days Tokyo 2011 Conference & EXPO」の講演でこう話した。
三澤氏の言うコア業務とは、「サプライチェーン管理」や「制御/操業系システム」のこと。求められる稼働率やシステム負荷が高い。ノンコア業務は「キャンペーンWebサイト」や「グループウエア」など。稼働率もシステム負荷も低い傾向にある。「求められる稼働率を守り、高いシステム負荷に耐えるためには、自社の都合を最優先できるプライベートクラウドで構築することを勧める。そのためのプラットフォーム製品をオラクルは提供する」(三澤氏)。
プライベートクラウドを構築するためのプラットフォーム製品として、データベース専用機の「Oracle Exadata Database Machine」とアプリケーションサーバー専用機の「Oracle Exalogic Elastic Cloud」を紹介した。Exadataについては、他社製のデータウエアハウス専用機と比べて3.7~7.5倍の処理性能を持つことを説明。Exalogicは、従来製品の12倍のWebトランザクション処理性能があるという。
さらに三澤氏は、「これらの製品を使ってプライベートクラウドを構築することで、システムの費用対効果を向上させるだけでなく、企業の競争力を強化できる」と主張。カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)やファーストリテイリングの事例を発表した。
CCCは、同社が手がけるポイントサービス「Tポイント」事業で、会員のデータ解析にExadataを使用。「解析内容を他社のポイントサービスと差異化するための、サービス改善に役立てていただいている」(三澤氏)。ファーストリテイリングについては「処理能力の高いExadataを選んでいただき、全世界にまたがる拠点の情報をより早く、正確に把握されている」(同)という。