さくらインターネットは2011年3月1日、6rd方式によるIPv6接続テストサービス「さくらの6rd」(トライアル)の提供を始めたことを発表した。同社のVPS(Virtual Private Server、仮想専用サーバー)やハウジングサービスを利用しているユーザーが対象。申し込み不要で自由にIPv6接続を試せるとしている。

 6rdは、IPv4とIPv6が混在するネットワーク環境において、IPv4ネットワークをまたぎながらユーザーの機器をIPv6インターネットに接続する手段を提供するための「トンネル技術」の一つ。プロバイダやデータセンター内にIPv6インターネットとの出入り口となる機能を持たせた中継用ルーター(6rd Border Relay)を置き、この中継用ルーターとユーザーの機器(ルーターやパソコン)との間でトンネルを張る。

 プロバイダやデータセンターは固有のIPv6アドレス範囲(プレフィックス)を持ち、その範囲内のアドレスから、決まったルールに基づいて6rd向けのアドレスを中継用ルーターとユーザーの機器に割り当てる。このため、重複することなく、かつ既存のIPv4アドレスと1対1で対応するIPv6アドレスを簡単に割り当てられる。

 具体的に、さくらの6rdの場合は、6rd空間として「2001:e41::/32」というIPv6アドレスの範囲を使う。中継用ルーターのIPアドレスは「2001:e41:3dd3:e07d::1」(IPv6)および「61.211.224.125」(IPv4)となる。ユーザーの機器には、IPv4アドレスが「aa.bb.cc.dd」の場合、「2001:e41:AABB:CCDD::/64」(AABB:CCDDはIPv4アドレスを16進数表記したもの)というIPv6プレフィックスが配布される。

 Linuxサーバーなどでさくらの6rdを使うには、例えばUbuntu 10.10の場合なら、/etc/network/interfacesを編集し(ルート権限が必要)、トンネル用のインタフェース(tun6rd)を作成。中継用ルーターのIPv4アドレスや、自分のIPv4アドレスを上記のように16進数変換して埋め込んだ形式のIPv6アドレスなどを書き込むだけで利用できる。