財団法人化を発表するRubyアソシエーション 理事長 まつもとゆきひろ氏(中央)、副理事長 前田修吾氏(右)、理事 井上浩氏(左)[写真提供:Rubyアソシエーション]
財団法人化を発表するRubyアソシエーション 理事長 まつもとゆきひろ氏(中央)、副理事長 前田修吾氏(右)、理事 井上浩氏(左)[写真提供:Rubyアソシエーション]
[画像のクリックで拡大表示]

 Rubyアソシエーションは2011年3月1日、同名の一般財団法人を設立し業務を移管すると発表した。現在は合同会社(LLC)として活動しているが、財団法人化により組織の基盤を強化、Rubyの開発および普及のための活動を拡大する。

 RubyアソシエーションはRubyの普及支援を目的に、2007年に合同会社として設立された(関連記事)。Rubyの作者であるまつもとゆきひろ氏が理事長を務める。Ruby公式サイトの運営やRubyWorld ConferenceやRuby技術者認定制度、Ruby認定システムインテグレータ制度などを実施している。

 Rubyは楽天やクックパッドなどのWebサイトに加え、東京ガスの地震防災システム(参考:RubyWorld Conference 2010講演)などミッションクリティカルなシステムにも採用されるようになってきた。「しかし、現在の合同会社Rubyアソシエーションでは、そのニーズに対し十分に応えきれていない」(Rubyアソシエーション副理事長 前田修吾氏)。

 財団法人化により財務基盤を強化し、常勤の職員を置くなど人的リソースを拡充する。また中立性を高め、合同会社という形態であることによる誤解を解消する。これまでの事業に加え、Ruby関連の開発に対する助成制度の創設や、ドキュメントの整備などを計画している。

 運営の透明性も高める。現在の運営委員会を評議員会に移行し、理事の選任などの重要な決議を評議員会で行う体制とする。

 「今の体制ではRubyアソシエーションに対する要望に応えきれなかった。より多くの方の賛同を得て、Rubyを利用するより多くの方を支援していきたい」(まつもとゆきひろ氏)。

 2011年7月に財団法人を設立し、2012年10月までに現在の合同会社から業務を移管する。「引き続き島根県松江市に拠点を置き、島根県、松江市、中国経済産業局や県内外の企業などと協力し事業を進める」(前田氏)としている。