写真●「SalesCube」の画面
写真●「SalesCube」の画面
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 アーク情報システムは2011年3月1日、自社開発した販売管理システム「SalesCube」をオープンソースソフトウエア(OSS)として正式に公開した(写真)。ユーザー企業やシステムインテグレータに無償で提供する。アーク情報システムはSalesCubeをカスタマイズするための講習会や開発のコンサルティング、稼働後の保守などを有償サービスとして提供し、収益を得る計画だ。

 SalesCubeは、同社がネット通販を行っているメーカー向けに開発したシステムを基にしている。アーク情報システムの竹村勉 応用システム部グループリーダーは「在庫管理や受発注管理などの基本的な機能に加え、ネット通販に必要な機能も入っている。今後ユーザーが増えれば、業種ごとのテンプレートを追加するなど、より利便性の高いソフトにすることができる」と話す。

 販売管理システムをOSSで提供する理由について同社営業部の飯塚覚氏は「当初はパッケージ化を検討したが、製品が非常に多く競争が激しいので、新規参入は難しいと判断した」と話す。加えて、「販売管理システムは10社あれば10通りある分野なのでパッケージを入れてもカスタマイズにかなりの手間がかかる」とする。

 一方、オーダーメイドによる開発は、パッケージに比べ費用や時間がかかることが多い。そこで「あらかじめ基本的な機能があり、カスタマイズが自由にできるOSSでの提供にニーズがあるのではないかと判断した」(飯塚氏)という。

 アーク情報システムはSalesCubeの目標として、2011年に1000本のダウンロードと1億円の売り上げを掲げる。システムインテグレータがSalesCubeを独自にカスタマイズして販売する場合、ソースを公開すれば無償で、ソースを公開しない場合は商用ライセンスとして有償で提供する。