NTTコミュニケーションズは2011年2月25日、情報漏えい防止機能を備えたファイル受け渡しサービス「V-Pack DRMタイプ」の提供を3月1日から始めると発表した。専用の閲覧用ソフトと組み合わせて使うことで、相手にファイルを送信した後でも操作権限の変更や閲覧停止などの処理が可能な点を売りとしている。
送信側のユーザー(ID)数およびファイルを利用するあて先のアドレス数に応じた利用料金モデルを採用する。最小構成時の料金は、「送信側ユーザーIDが50まで、送信先アドレス数が100アドレスまで」というケースで、契約月が初期費用(10万5000円)と合わせて合計21万円、翌月からは10万5000円となる。最低利用期間は3カ月間(無料トライアルキャンペーン期間を除いた期間)としている。
V-Pack DRMタイプは、インターネット上の専用サーバーを介して相手にDRM(Digital Rights Management)方式で暗号化したファイルを送信するサービス。アクセス権の有効期限を管理することで、ファイルの受信者は定期的にサーバーにアクセスして暗号鍵を入手する必要があり、この仕組みにより「ファイル送信後の制御」を可能にしている。
ファイルを送る側のユーザーは、Webブラウザからサービスにアクセスし、専用のWebインタフェースで送りたい相手のメールアドレスや送信するファイルおよび操作権限などを指定する。すると、相手にはファイルダウンロード用のURLを記したメールが届く。
相手がこのURLにアクセスするとファイルをダウンロードできる。このとき、閲覧用の専用ソフトのダウンロードが促され、受信者はこの専用ソフトからのみファイルを開ける。開いたファイルは、閲覧や上書き保存、印刷などファイル送信者があらかじめ設定した権限の範囲内でしか操作できない。専用ソフトが対応するファイルの種類は、ExcelやWord、PowerPoint、テキスト、PDF、各種画像形式(bmp、jpg、png、tiffなど)ファイルなど。動画ファイル(wmv、mpg、aviなど)にも対応する。
ダウンロードしたファイルは、あらかじめ設定した期間を過ぎると開けなくなるほか、送信側が送信後に権限を変更したり、ファイルの閲覧を即座に禁止したりすることも可能だ。NTTコミュニケーションズでは、取引先や業務委託先にRFP(Request for Proposal、提案依頼書)や仕様書、設計書などを送信するケースや、発売前の製品情報やコンテンツなどを関係者に送付するケース、金融機関などが取引先へ顧客データを送付するケースなどでの利用を見込んでいるという。
5番目の段落で「上紙保存」となっていましたが「上書き保存」の誤りです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/03/01 22:20]